渋谷工業(6340)【無料充填装置の渋谷工業に学ぶ技術戦略「夢テクの世界」】


渋谷工業  [6340] 東証1部 時価:2,790円

KSK夢テク研究所が6月6・7日に渋谷工業の企業見学を予定しているそうです。同社の平岡社長による紹介記事がありますので紹介してみたいと思います。
 渋谷工業は充填装置を国内外に展開している成長企業です。
 元は造り酒屋向けの燃焼装置から始まり、戦後、瓶詰装置に参入しました。ガラス瓶、缶、ペットボトルなど幅広い容器に対応し、先発の三菱重工や川崎重工からシェアを奪い、今では国内のシェア6割を獲得しています。
 原価低減策はお手の物ですが、本当の強みは、充填装置内部を無菌に保ち、液体を常温で注ぐ技術にあります。無菌充填装置の国内シェアは8割の上り、中国、東南アジアの飲料メーカーからの引き合いも多いです。海外生産は高くつくそうで、競合会社から技術供与を打診されることがあるそうですが、ライセンス契約は結ばずに技術力で勝負しています。
 今後は、その無菌技術の再生医療への応用が期待されています。
 理化学研究所が認定するVB「ヘリオス」にも出資して、無菌技術で細胞を大量培養する装置を作る計画です。渋谷社長は、この分野の売り上げを5年後には100億円にして、収益化したいという意欲を見せています。
 また、設備投資については、再生医療のための新工場建設を進めるなど今期は71億円で最高になる見通しです。
 この企業は、技術戦略を武器にして、至極まっとうな成長戦略で、すばらしい事業展開をされていると思います。独自技術で、大企業に真っ向勝負し、自立経営するということは、製造業にとって理想であり、相当難易度の高いことですから、本当にすごいことだと思います。
 この渋谷工業の背中から、技術戦略を軸とした勝ちパターンについて、学ぶことは大きいです。渋谷工業が作り上げたのは、卓越した無菌技術による「絶対差別化」です。こういう勝ち方は理想です。
 世界を見ると、ダイソンやiRobotなどの掃除機などが同様の勝ちパターンです。
皆、限界への挑戦を“見える化”できている企業です。
 それができないと、同質化による価格競争におちいって、技術を二束三文で売ることになります。“断トツ”をどういう風に確保するかが、技術戦略上の命題です。
「これまでの常識は非常識」という考えを念頭に入れて、モノづくりしていかなければなりません。
2014/04/02 7:35