お知らせ:フリービット(3843)【通信速度を最適化!東京大学と共同実験】

格安スマートフォン(スマホ)サービスを提供するフリービットは、アプリの種類や利用時間など端末の通信状態に応じて回線速度などを最適化する通信制御技術の開発を進めている。スマホの通信量を抑えることで高速化や値下げなどサービス改善につなげる狙いだ。まず6月、スマホの利用動向をビッグデータとして収集・分析するための実証実験を東京大学大学院情報学環と共同で始めた。
 子会社を通じて仮想移動体通信事業者(MVNO)事業を手掛ける。昨年11月には格安スマホの先駆けとして自社開発の端末とMVNOサービスをセットにしたサービスを始めた。今年からは大手小売りなどが格安スマホ市場に相次ぎ参入。今後は料金競争激化が予想される中、石田宏樹社長は「MVNO事業を将来にわたって持続可能にするには次世代の通信制御技術が不可欠だ」と強調する。
 開発中の技術はスマホの通信状態を設備側でリアルタイムに解析し、アプリの種類などに応じて回線速度などを自動調整するというもの。東大大学院情報学環が開発した「FLARE(フレア)」と呼ぶ特別な通信制御装置と、この装置と連携する機能を搭載したスマホを組み合わせる。スマホと制御装置で送受信するデータに様々な識別子を追加。この識別子を逐次読み取ることで、どの端末からどんなアプリで通信しているかなどを判別できる。
 一般的なMVNOは端末を独自開発していないためデータの中身を判別できず、利用者の通信量やデータの送受信パターンからどんなアプリを使っているかを類推するしかなかった。
 「データ識別の仕組みを確立した上できめ細かく通信制御すれば、回線全体の利用効率が高まる」(池田博樹CQO室長)。ブラウザや交流サイト(SNS)アプリを使っている時は低速だが、動画視聴の時だけは一時的に速度を上げるといった制御をすることで回線への負荷を減らせる。また、回線への負荷が重いアプリ更新の場合は、昼間に比べて利用頻度が低い夜間に自動実行したり、地域ごとに順番を決めて計画的に実行させたりすることで、通信量のピークを平準化しやすくなるという。
 フリービットが新しい通信制御技術の開発に力を注ぐのは、将来、スマホのデータ通信量が急増しても回線速度や低料金を維持できる体制作りのためだ。MVNOは携帯電話会社から回線容量の一部を借りてサービスを提供しており、契約者全体の通信量が増えれば携帯会社に支払う回線賃借料も上がる。これまでは回線速度を遅くするなど通信量を抑える工夫で賃借料を節約し、携帯大手より低料金を実現してきたが、端末の性能向上が進んでいる。
 スマホの回線速度を利用者に不便がないよう的確に調整するには、スマホの利用実態を把握して最適な制御のアルゴリズムを用意する必要がある。フリービットと東京大学大学院情報学環はまず来年3月まで、試作スマホを使って通信状態をビッグデータとして収集・分析する実証実験を実施する予定だ。
2014/07/02 8:30