タムラ製作所(6768)【電子部品の「大型」でも世界に伸びる技術力に注目!】


タムラ製作所  [6768] 東証1部 時価:407円

電子部品というとゴマ粒サイズのものを想像しがちだが、中には一辺が数メートル、重さ数トンという大きな部品もある。創業90年の歴史を誇るタムラ製作所(6768)が手掛ける電力システム用の大型コイル(リアクトル)もその一つだ。電子部品としては利益率が高く、競合他社にコピーされにくい特長もあるという。
 電力システム用の大型コイルは発電・送電設備や鉄道・船舶などに使われ、「作れるメーカーが少ない」為、収益性が高い。電力システムは製品寿命が30〜35年に及び、厳しい信頼性試験に合格する必要がある。高度な技術力や試験能力に加え、メーカーの信用力や事業規模も重要な基準になるため、新規参入する障壁は高い。
 大型コイルは部品そのものが重く、輸送が困難なため、世界各地に生産拠点を持つメーカーが有利になる。同社は民生用部品の生産拠点を活用し、世界8拠点での大型コイル生産が可能。すでに独シーメンスやスイスABB、仏アルストムなどの大手顧客に採用されているという。
 送電分野では、欧州や中国を中心に高効率の「高電圧直流給電システム(HVDC)」の需要が高まっている。この市場に向けてタムラ製作所はパイプ状の導線内部に冷却水を流す独自の大型コイルを開発し、2013年から生産を始めた。パイプの曲げ方にノウハウがあり、製造設備も自社開発していることから、「コピーされにくい」独自性がある。
 同社は今後3年で大型コイルの売上高を1・5倍に増やす計画だ。日本の電子部品メーカーはスマートフォン向けの小型部品で強みを持つが、社会インフラ用の大型部品でも世界に通用する技術を持っている。日本メーカーが優位性を守れれば、技術立国の未来を背負う可能性も「大型」と言えそうだ。更に、15年3月期1Qの連結経常利益は前年同期比68%増の8,4億円に拡大し、上期計画の16億円に対する進捗率は52,5%に達し、さらに前年同期の41,4%も上回って順調な伸びを示しており、注目しておきたい。
2014/08/20 8:10