ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)【波動歯車装置―ロボの力、緻密に制御(メカにズーム)!

ハーモニック・ドライブ  [6324] 東証JQ部 時価:4755円

ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)が昨日、上場来高値(4795円)まで人気化しております。本日は、日経産業新聞の記事の一部をご紹介します。
製造業向けのほか福祉や家事といったサービス分野でもロボットの開発が加速している。実用化には物を持ったり動き回ったりするため、関節の緻密な制御が必要になる。関節部を動かすモーターの回転を調節するのが減速機と呼ぶ部品だ。なかでもハーモニック・ドライブ・システムズが手掛ける「波動歯車装置」はロボットの小型化や軽量化に欠かせない。
 「こんなに面白い製品はほかにない」。長井啓社長がこう胸を張るように、波動歯車装置の動きは独特だ。各部材が波打つように協調して動き、中心部のモーターの駆動を外側の部材に伝えていく。
 大きく分け「ウェーブ・ジェネレーター」と「フレクスプライン」「サーキュラ・スプライン」と呼ぶ3つの円形部材で構成する。1番外に固定されたサーキュラ・スプラインの内縁部と次のフレクスプラインの外縁部が歯車状になっており、モーターに直結した楕円形状のウェーブ・ジェネレーターの回転をフレクスプラインに出力する仕組みだ。モーターを動かすとまず、ウェーブ・ジェネレーターが回転し、薄肉の金属でできたフレクスプラインを内側から強引にゆがめる。ゆがんだフレクスプラインがサーキュラ・スプラインに押しつけられ、双方の歯が順々にかみ合っていく。 双方の歯の数に差を付けておくことで、ウェーブ・ジェネレーターが1周するごとに、わずかにフレクスプラインが当初の位置からずれていく。モーターよりも速度を減らす代わりに回転する力を増す。ロボットの末端部分などフレクスプラインにつながった軸は、より力強くひねることができる。また精密な歯のかみ合いにより動作するため、「関節をどれくらい回したか」という制御もしやすい。
 波動歯車装置の原理は米国の発明家クラレンス・ウォルトン・マッサーによって1950年代に考案された。実は基本特許が切れており、「つくろうと誰でも思えばつくれる」(長井社長)。実際に過去には機械部品メーカーが参入しようと動いた例がある。ただいずれも断念している。現在も生産しているメーカーは少なく、同社が商標登録した「ハーモニックドライブ」が市場を席巻している。
 背景には多品種生産への対応の難しさがある。
 減速機は顧客が求める性能により歯の数などを変え、様々な仕様の製品をつくらなくてはならない。工作機械の設定や治具を変更するといった手間がかさむ。いかに効率を高めていくかが採算や納期を左右する。ハーモニックはこの生産ノウハウの蓄積量で他の追随を許していない。
 同社の2014年3月期の連結売上高は前の期比16・3%増の210億円だった。15年も同程度の伸びを予想している。自動車や電子機器など幅広い分野で自動化の引き合いが強い。長井社長が「空前の引き合い」とうなる好環境で、今後はさらにヒト型ロボットやアシストスーツの普及も期待される。
2014/08/28 7:15