協和発酵キリン(4151)【がんの「盾」死滅に導く、免疫療法の効果向上に抗体を活用!】


協和発酵キリン  [4151] 東証1部 時価:1,175円

大阪大学の西川博嘉准教授らは、外敵を攻撃する免疫システムでブレーキの役割を果たす「制御性T細胞」に着目したがんの治療法の実用化を目指している。がんはこの仕組みを使い、免疫細胞による攻撃を防いでいる。制御性T細胞の中でも活性化したタイプを死滅させると、がんの治療効果を増強できる見通しを得た。死滅に導く抗体を使った臨床研究の実施を来年に計画しており、5年以内の実用化を狙っている。
制御性T細胞は体内での過剰な免疫反応を抑えるブレーキ役だ。体内にできたがん細胞を免疫細胞が攻撃する際は、制御性T細胞ががん細胞の盾となって働いてしまい、がんの生き残りにつながっている。免疫細胞によってがんを死滅させる「がん免疫療法」の効果を高めるには、制御性T細胞をうまくコントロールすることが欠かせない。
 実験で、活性化したタイプの制御性T細胞だけを抗体を使って死滅させた。その結果、がん細胞を攻撃する「キラーT細胞」の数が約3倍に増えたという。
 使用した抗体は協和発酵キリンが開発した「モガムリズマブ」だ。血液のがんである成人T細胞白血病(ATL)の治療薬として既に販売されており、現在、胃がんや食道がん、悪性黒色腫といった固形がんを対象にした医師主導治験を研究チームが実施中だ。
 研究チームはこの結果を受けて、臨床研究を始める計画だ。がん治療用のワクチンと、モガムリズマブをATL患者に投与する。米がん研究財団から臨床レベルのワクチンの提供を受けて実施し、効果などをみる。ワクチンと抗体の最適な投与時期なども見極める考えだ。
西川特任准教授は「制御性T細胞をコントロールする手法は、さまざまながんの治療に活用できる」と期待している。
株価は直近の安値(1156円)まで調整しており、下値不安がなく、ここからの押し目は注目したい。
2014/12/15 8:00