鉱研工業(6297)【リニア新幹線あす着工、同社の「水平ボーリング技術」に注目が集まる!】

鉱研工業  [6297] 東証JQ部 時価:757円

JR東海(9022)は明日、リニア中央新幹線の着工式を開く。品川―名古屋間を最短40分で結ぶが、路線の実に8割はトンネルで、南アルプスも貫く日本の土木技術の粋を集めた巨大プロジェクトとなる。この鍵を握るのがボーリング機器大手、鉱研工業(6297)の「水平ボーリング技術」だ。
「世紀の大工事だ」。ゼネコン大手幹部は、世界でも例のない難工事の連続となりそうだと言う。
工事の肝は山岳部のトンネルだ。地盤が硬く、距離が一番長い南アルプスのトンネル工事は「特に難易度が高い」。3千メートル級の山々が連なる南アルプスにはこれまでトンネル掘削の例はなく、地質や水量がわからない。慎重に進まないと、トンネルが大きな圧力で崩れ、水が大量に吹き出す可能性がある。大深度のトンネル工事の成否を分けるのが地下の地質や状態を探査するボーリング技術だ。
リニアはトンネル工事の発注が5キロメートル単位になると目されている。いまは200〜300メートルしか使わない水平ボーリングの長距離化が求められるのは必至だ。長距離の水平ボーリングに必要なのは、先端を正確な位置へ進めていく制御のノウハウだ。
鉱研工業は米国のソフト技術を導入し、緯度や経度などから先端の位置を割り出す。そのデータを元に、鉱研工業の技術者が掘削の方向をコンピューターで操る。数メートルの掘削用の棒をつないで1キロメートルもの長さにする。削られた岩を回収して分析。水量もボーリングに取り付けられた計測ユニットで量り、水脈にぶち当たればボーリング用の穴から水を引き出す。通常の水平ボーリングには高精度の位置制御などの機能がない。長くするほど先端が進行方向からそれてしまう。
鉱研工業による長距離の水平ボーリングは1960年代〜70年代に青函トンネルの工事で使われた。その後、国内のトンネル工事は短くなり、技術が途絶えそうになっていた。「リニアのために復活させなければならない」(鉱研工業の田中徹技師長)。青函トンネルの経験者を今後、現場に投入して若手にノウハウを伝えていく。土木は経験工学と評される。「こういう地質のときはこの技術が使える」と考えながら工事を進める。その経験が無ければ、多くが手探りだ。
日本の土木技術はアルプスを貫けるか。夢のリニアを支える鉱研工業の「水平ボーリング技術」は、新たなイノベーションをもたらすかもしれない。
2014/12/16 8:10