日本精工(6471)【次世代太陽光パネル「色素増感太陽電池」を開発!】


日本精工  [6471] 東証1部 時価:1,652円

日本精工(6471)がベアリング事業で培った技術を他の分野へ応用展開している。潤滑剤開発で積み上げた成分調整の知見を次世代の太陽光発電パネルに、精密加工のノウハウは高性能の角度センサーにと、取り組みを多岐にわたって将来の事業拡大の種をまいている。
ブラインドの隙間から日光が差し込む会議室。日本精工のロゴが入った透明な板に電子オルゴールの電極をつなぐと、はっきりとした音色を奏でた。ただの企業広告ではなく「色素増感太陽電池」と呼ぶ次世代の太陽光パネルだ。
 現在広く普及している太陽光パネルは発電効率が高いが、見た目が暗く個性に乏しい。色素増感太陽電池は基盤となる「電荷輸送剤」に色素を組み合わせる。この色素を生かしパネルそのものに絵や文字をあしらえる。
 同社は色素増感太陽電池のなかでも「キャンバス」となる電荷輸送剤に的を絞った。従来のヨウ素系の薬剤は黒っぽく、薄くのばしても色彩へ影響する。そこで潤滑剤や鋼材の焼き入れなどで用いる化学成分の調整技術を応用した。電荷を運ぶ本来の役割・機能を保ちながら色の濃さを9分の1に抑制。色素を配しない部分の透明度が向上し、全体にメリハリをつけられる。
 新開発の電荷輸送剤を用いれば、パネルを広告にしたり、デザインを施したりしたうえで住設機器の電源として利用できる。3年後に売上高数億円の事業に育てる考えだ。
 昨年、開発発表した「エンコーダー」と呼ぶ角度センサーも新たな事業領域への挑戦だ。100分の1度まで検知する高い性能を持ちながら、大きさは従来製品の半分以下に抑えた。ロボットの関節制御に使えば、小型・軽量化のほか作業精度も向上できる。
 いわゆるMEMS(微小電気機械システム)に区分される製品で、同社にとっては新規参入になる。開発の裏には小径ベアリングなどで積み上げた機械加工や組み立ての技術がある。
 日本精工は16年3月期に連結売上高9400億円、営業利益860億円を目指す中期経営計画を掲げている。一方で15年3月期の業績は売上高9500億円、営業利益860億円を見込んでおり、前倒しで計画を達成する見込みだ。
 足元で自動車関連が好調なほか、産業機械分野で続けてきた海外でのニーズ掘り起こしや新製品の拡充といった取り組みが結実している。主力事業が巡航速度に乗るからこそ、長期的な視点に立った研究にも投資を振り向けることで、今後の業績拡大に弾みが付くことでしょう。
株価は高値圏にあることから、押し目を狙っておきたい。
2015/03/09/ 7:55