カルビー(2229)【国内の収益性の改善が進む菓子業界で海外展開を積極化、成果が表われる!】


カルビー  [2229] 東証1部 時価:4,775円

国内の菓子市場は、2000年以降横ばいで推移してきたが、2014年はメーカー生産金額ベースで2.4兆円、前年比2%増加した。健康志向が追い風となったビター系チョコレート、家呑み需要をとらえた固揚げポテトチップスや柿の種など大人向けの菓子が市場の拡大を牽引した。菓子メーカーは一度ヒット商品を当てるとその商品から生じる利益の影響が大きい。ゆえに、新商品のマーケティング活動が優先され、仕入原価の削減や生産工程の見直し、単品ごとの販促費の管理などの緻密な損益管理が他の食品メーカーと比較して後手に回ることが多かった。消費者の嗜好が多様化しヒット商品が誕生しにくくなった近年もこの傾向が続き、新製品の開発と低価格競争に凌ぎを削った結果、各社の営業利益率は低下傾向にあった。
この状況から最初に抜け出したのはカルビー(2229)だった。創業60周年を迎えた09年に創業者一族が引退し、会長兼CEO(最高経営責任者)には元Johnson & Johnson 日本法人社長の松本氏が就任した。新体制の下、原資材・機材の本社での集中購買導入等による原価低減や、本社コストの削減が行われ、それを原資にして低価格攻勢を行うことで稼働率を上げ、製造原価率を引き下げた。08.3期に1.4%であった営業利益率は15.3期には10.9%にまで改善した。
国内の菓子市場の拡大が期待しにくいなかで、各社は海外展開に力を入れており、その成果が着実に表れ始めている。最も海外展開に積極的なのはカルビーである。09年以降、新体制の下で海外展開を加速し、すでに10以上の国と地域に進出、あるいは進出を表明している。特に、北米と韓国への進出に成功している。北米では日本ではあまりメジャーではない「さやえんどう」が豆からできたという健康感からヒットしている。韓国では、甘いポテトチップス「ハニーバターチップス」が社会現象とみられるほど大ヒットを記録し、品不足解消のために16年までに現地の生産能力を現在の倍以上に増強する。
その結果、同社の15年3月期の連結経常利益は前の期比23.3%増の256億円になり、16年3月期も前期比9.3%増の280億円に伸びを見込み、8期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。10期連続増収、8期連続増益になる。 同時に、前期の年間配当を26円→28円(前の期は22円)に増額し、今期も前期比5円増の33円に増配する方針とした。
2015/06/01/ 7:30