神鋼環境ソリューション(6299)【ミドリムシの生産性を2倍に高めた培養方法を開発!】

神鋼環境ソリューション  [6299] 東証2部 時価:652円

神鋼環境ソリューション(6299)は藻の一種であるミドリムシを促成培養する技術を開発した。密閉した装置内部で培養する「従属栄養法」と呼ぶ方式で、生産性を同社従来比2倍に高めた。容積1立方メートルの装置で1回あたり10キログラムを上回る規模のミドリムシを製造できるという。量産技術を磨き、主に食品用として早期に実用化を目指す。
 ミドリムシは豊富な栄養素を持つと同時に、体内で大量に油脂を生産する性質があり、次世代のバイオ燃料や食品用素材として着目されている。同社のミドリムシの培養技術は、密閉したタンクを培養槽に使う。
 神鋼環境ソリューションがミドリムシの開発に本格着手したのは2010年。筑波大学と共同で生産性の高いミドリムシの新規株「EOD―1」を発見した。それまで有望とされてきた「ユーグレナ・グラシリスZ株」と比較して生産性や体内の油脂含有率が2倍以上あるという。培養したミドリムシの乾燥粉末は食品会社などにサンプルを提供済みで、まずは食品や化粧品原料としての実用化を期待している。需要量を確保できる見通しがつき次第、容積10立方メートル級の培養槽を設置して量産に着手する方針だ。
ミドリムシの事業化で先行するのはユーグレナ(2931)だ。ミドリムシ粉末を利用した食品やサプリメントの販売が現在の主力事業で、2015年9月期に売上高59億円を見込む。
 同社をはじめ、ミドリムシ事業に着手した企業が最終的に目指すのはバイオ燃料としての用途だ。現在バイオ燃料として主に使われるトウモロコシなどに比べて、作付面積あたりの油脂生産量が高い。さらに培養時に二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃料を燃やしてもCO2排出量をゼロと見なされる。
 日本では2014年から、航空会社や石油会社などが共同で航空機燃料としての実用化に向けた検討会を立ち上げて取り組みを進めているが、培養や油脂の分離・精製にかかるコストが依然として高く、引き下げが課題だ。佐賀市など九州3市は石油プラントから排出されるCO2や下水を利用して、培養時の生産性を高める研究をユーグレナなどと手掛ける計画だ。ミドリムシが普及するには大量生産技術の確立が欠かせないことから、この方法により実用化が早まる可能性がでてきた。
2015/07/09/8:20