東京電力(9501)【福島に最新鋭火力発電所を建設、20年稼働予定!】

東京電力  [9501] 東証1部 時価:888円

東京電力(9501)と三菱重工業(7011)、三菱商事(8058)など三菱グループ3社は19日、福島県に「石炭ガス化複合発電(IGCC)」と呼ぶ世界最先端の石炭火力発電所を建設すると発表した。原子力発電所の事故で被害を受けた福島の復興を雇用創出などで後押しする狙いだが、官民一体のインフラ輸出に弾みをつける起点になり得る。今回の発電所建設に伴い、建設最盛期に1日当たり最大2000人規模の雇用創出に加え、環境アセス着手から運用を含めた数十年間で福島県内での1基当たり総額800億円の経済波及効果を試算している。
 東電と東北電力が出資する常磐共同火力の勿来発電所(いわき市)と東電広野火力発電所(広野町)に出力54万キロワットの設備を1基ずつ建設・運用する。発電した電力は東京電力が全量買い取る。2020年代初頭の稼働を目指す。総投資額は3千億円に達する見通しだ。
「IGCC」は石炭の蒸し焼きで発生させるガスと、廃熱で作る蒸気で2回タービンを回す。現在最先端の石炭火力と比べ発電効率は2割高い。石炭は低コストだが二酸化炭素(CO2)排出が多く、地球温暖化の元凶との指摘もある。老朽火力をIGCCに置き換えればCO2排出は一気に減る。低コスト発電と環境対策の両立が必要な新興国で潜在需要は大きい。
 IGCC技術を担う三菱重工の幹部は「インフラ輸出の柱に据えたい」と強調。子会社の三菱日立パワーシステムズの西沢隆人社長は「ポーランドやインドネシアから問い合わせがある。2〜3年内に海外で受注できるかもしれない」と明かす。
 東電も福島でIGCCの運営ノウハウを積めば、海外の発電所事業に参画するチャンスが広がる。原発事故の後遺症に苦しむ福島を最先端技術の発信拠点とできるか。プロジェクトの重みは一段と増す。
更に、足もとの原油価格の下落は、電力会社にとっては燃料価格の低下につながり業績面への追い風となるほか、今後の原発再稼働への期待感も出ており、押し目を注目したい。
2015/08/20/ 7:45