市光工業(7244)【ミラーを代替する「カメラモニターシステム」を開発!】

市光工業  [7724] 東証1部 時価:195円

自動車用ランプやミラー類の大手、市光工業(7244)は車体側面のカメラで撮った映像を車内ディスプレーに映す「カメラモニターシステム(CMS)」を開発した。サイドミラーの代わりに使う。日本では今夏にも鏡を使わない後方確認装置が認可される見通しで、今後2〜3年での実用化をめざす。IT(情報技術)を活用した新たな車載装置として完成車メーカーに売り込む。
 小型カメラを現在の一般的なクルマでサイドミラーのある位置に、ディスプレーは運転席のハンドルの両脇に据え付けた。高感度カメラを採用することで、薄暗い夕方や夜間走行時の視認性を鏡を使うサイドミラーより高めた。カメラのレンズは鏡よりも面積が小さいため、悪天時に雨滴がついて見えづらくなる恐れも少なくなるという。
 ITを活用することで通常の鏡面式サイドミラーでは実現できない先進機能も盛り込んだ。代表例が運転状況に応じて、画角(映し出す範囲)を自動調整する機能だ。
 直進している時はクルマ後方の映像を切り出して、ズームしているように大きく映し出す。高速で走っていても運転手が後続車の動きを確認しやすくなる。反対に、ウインカーを出したりハンドルを切ったりすると、車体周辺を広い角度で映し出す。歩行者や自転車の存在に気付きやすくなる・
安全規制の強化に伴って、サイドミラーの鏡面は大型化が進んできた。鏡が大きくなれば後方は見やすくなるが、サイドミラーそのものが死角となってクルマの斜め前方が見えにくくなったという指摘もあったが、「CMS」ではカメラが小さいため死角を減らせる。さらに風を受ける面積は一般的な普通車の場合で約8割小さくなる。空気抵抗が減ることで、燃費性能の向上も期待できるという。
 日本国内を走るクルマは国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」の規定を満たす必要がある。サイドミラーについては「自動車には後写鏡を備えなければならない」と定めているが、国際的な規制緩和の流れをうけ、2016年6月には「後写鏡等を」と改正される見通しだ。
カメラ式サイドミラーの実用化への道が開かれるが、他の自動車部品メーカーや電機メーカーなどとの競合も予想される。市光は自動車用ミラー類を手がけてきた技術とノウハウで、「運転手が違和感なく運転できる画像表示を実現する」考えだ。
 先進的な自動車部品の開発はこれまで総合部品メーカーが主導してきた。ただ、米グーグルなどIT企業までが自動車分野に参入するなか、市光のような専業部品メーカーも新たな分野の技術の蓄積が求められる。
 市光の連結売上高は約1000億円。主力はヘッドランプなどだが、ミラー類は約2割を占める。CMSでの挑戦は市光の今後を占う取り組みとなるかもしれない。
2016/01/18/ 8:20