キョーリン製薬HD(4569)【今期経常利益を21%上方修正・3期ぶりに最高益更新へ!】

キョーリン製薬HD  [4569] 東証1部 時価:2,161円

キョーリンHD(4569) は2月3日に決算発表しており、16年3月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比33.7%増の149億円に拡大した。併せて、通期の同利益を従来予想の163億円→197億円(前期は154億円)に20.9%上方修正し、増益率が5.2%増→27.2%増に拡大し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。
会社側が発表した上方修正後の通期計画に基づいて、当研究所が試算した10-3月期の連結経常利益も従来予想の120億円→154億円(前年同期は105億円)に28.3%増額し、増益率が13.6%増→45.7%増に拡大する計算になる。
更に、同社は岡山大学発ベンチャーの「桃太郎源」と、ウイルスを使い、抗がん作用のある物質を作り出す遺伝子を細胞内に組み込む治療薬の臨床試験を始めた。遺伝子治療で国内での具体的な治験に入るのは珍しく、両社はがん細胞を選択的に攻撃でき、がんに対する免疫を強化できる作用があるとして期待している。
新薬はアデノウイルスを活用した製剤に、岡山大で発見されたがん抑制遺伝子「REIC」を組み込む。REIC遺伝子は、「不死化関連遺伝子」と呼ばれ、正常な細胞が一定期間を過ぎれば死に、新陳代謝することと関連している。がん細胞ではこれが失われており、がんが増殖する一因となっている。薬をがんの患部に注射すると、ウイルスががん細胞に入り込んで遺伝子を挿入する。その後細胞内でREICたんぱく質が生産されると細胞にストレスがかかり、がん細胞が死亡する。この際、正常細胞とがん細胞では反応が異なり、がん細胞だけを殺すことができる特徴があり、肺がんだけでなく、固形がん全般に効果があり、幅広い応用が見込まれるという。
既に米国では、桃太郎源が前立腺がんを対象にした治験を単独で実施している。キョーリンHDは日本国内で共同開発する。
遺伝子を体内に組み込んで病気を治療する遺伝子治療を使った薬は、これまでほとんど実用化されていない。今回のAd―SGE―REIC製剤は国内の遺伝子治療で最も進んだ実例の一つとなり、今後の治験結果に期待したい。
2016/02/12/8:45