東京一番フーズ(3067)【養殖魚のベンチャー「食縁」、IT駆使し、養殖ブリを世界へ!】


東京一番フーズ  [3067] 東証1部 時価:527円

「日本の養殖業は間違いなく世界で戦える。成長産業であることを示したい」――。有路昌彦(40)は意気込む。近畿大学准教授で、養殖魚の加工・販売を行う「食縁」(和歌山県新宮市)の社長も兼務する有路。国内の業者に養殖を委託したブリを「食縁を」通じて2016年にも世界に販売する。有路の胸にあるのは「養殖業を、自動車製造のような工業に変えたい」という思いだ。
 「食縁」は新宮市と近畿大学の支援のもと、国内の養殖業者及びIT企業・飼料メーカー・包材メーカーが出資し、海外にブリ、マダイ、とらふぐを中心とした国産養殖魚加工品を販売する「ジェネリック(包括的)マーケティング」の拠点として、海外販路を拡大する目的で設立されたベンチャー企業で、東京一番フーズ(3067)の子会社である長崎ファームが筆頭株主であります。
 又、長崎ファームは、近畿大学と食縁との間で、「水産業の発展に関する協定」を締結し、実践的な事業展開を実現する関係性が構築されております。これにより「近大生まれのブリ」のブランド養殖魚などで1兆円規模の拡大を続ける欧米の水産市場へ販売を目指す方針であります。
 「食縁」は中部飼料(2053)と共同で魚臭さを抑えるエサを開発。積水化成品工業(4228)と組んで冷凍しても切り身の品質を劣化させないパッケージ技術も考えて輸出の準備は整いつつあります。稚魚からの養殖は国内の業者に任せる。車で言えば生産委託だ。代わりにIT(情報技術)を活用、養殖魚の品質を担保し、原価も正確に把握する。日々の実績を細かく入力して集計できるシステムを富士通(6702)が農業支援クラウド「Akisai」を応用する形でシステムを開発中で、食縁と複数の養殖業者が共同で利用して、利益もきっちり定める。それが漁業を基幹産業として長く育成していくことになると有路昌彦は考えた。有路が考えた「養殖の工業化」の構想に国内の6事業者が賛同し、ブリの養殖を請け負うことになった。
「ステーキにしてもいいし、トマトソースにも合うね」。米シカゴで開催された食品関連の展示会「CHICAGO NRA SHOW」において「食縁」の海外での初舞台における来場者からの反応は上々だった。用意していた2200食の冷凍ブリが順調になくなり、寄せられた商談希望は123件に及んだ。
 有路は「我々だけが提供できる味は、価格競争に陥らない。世界に受け入れられる余地は大いにある」とみる。既に、シンガポールの業者からの商談もまとまり、輸出することが決まりました。
食縁は16年度に10億円強の規模でスタートし、品種をマダイやシマアジなどに拡大。20年度に50億円弱の売り上げを目指すとしている。
2016/06/10 8:20