任天堂(7974)【「ポケモンGO」大ヒットの影に故岩田氏、「ゲーム人口拡大」を掲げる!】

任天堂  [7974] 東証1部 時価:28000円

スマホ向けゲーム「ポケモンGO」の世界的大ヒットを受け、低迷を続けていた任天堂(7974)の株価が急騰している。かつて窮地にあった任天堂を救ったのは故岩田聡前社長だったが、今回の復活劇の陰にも岩田氏の存在が見え隠れする。同社はまたしても、岩田氏の力で息を吹き返した。 「マリオ」や「ゼルダ」など世界的人気のゲームシリーズを数多く持ち、業界の盟主として君臨してきた任天堂。だが近年は主力の据え置き型ゲーム機「Wii U」や携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の不振で業績低迷が続いている。
 2016年3月期の連結決算は純利益が前の期比61%減の165億円。売上高も8%減の5044億円にとどまった。そんな中に現れたポケモンGOは救世主と言える存在だ。
 ポケモンGOは任天堂の自社製ではなく、同社が議決権の32%を所有する持ち分法適用会社「ポケモン」(東京・港)と米グーグルから独立した米ベンチャー、ナイアンティックによる共同開発だ。売り上げは直接任天堂の収益にならない。それでも世界的な大ヒットが任天堂の最終利益を百億円以上押し上げるとの見方が多い。今期最終利益を350億円と見込む任天堂にとっては大幅な増益要因となる。
 1990年代以降、任天堂はソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」にゲーム市場を席巻され、苦境に立たされていた。そんな状況を救ったのが「天才プログラマー」として知られた岩田氏だった。ゲーム機の高性能化によるゲームの複雑化でユーザー離れが進むことを懸念。「ゲーム人口の拡大」を掲げ、据え置き型ゲーム機「Wii」や画面が2つある携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」を開発。高齢者や女性を取り込んで爆発的ヒットにつなげた。
 その岩田氏が企画段階から関わってきたのがポケモンGOだったという。ポケモンGOの主な収益源はゲーム内でのアイテム販売による課金だ。一部ユーザーへの高額課金が問題視されることも多い有料くじ「ガチャ」に依存せず、多くのユーザーから「広く薄く課金する」という方向性は、まさに岩田氏が志向した姿といえる。「ゲーム人口の拡大」をとなえ続けてきた岩田氏。経営を引き継いだ君島達己社長はこれを推し進め、キャラクターのテーマパークへの活用など「任天堂IP(知的財産)に触れる人口を拡大する」戦略を掲げる。岩田氏の思想が任天堂の強さの源泉である――。米国では大統領選挙にまで利用されているなど、社会現象化している、「ポケモンGO」の成功は、岩田氏の方向性の正しさを改めて証明したのかもしれない。
株価は急騰後、乱高下を繰り返していることから、押し目を注目してみたい。
2016/07/22 8:15