タカトリ(6338)【「モバイル型胸腹水濾過濃縮用装置(T−CART)」が厚労省より製造販売承認を取

タカトリ  [6338] 東証2部 時価:733円

世界規模での高齢化の進展と医療需要の拡大により、世界の医療機器市場は今後益々拡大することが見込まれています。厚労省によると、13年の国内市場の規模は2兆7千億円と5年間で2割増えております。しかしながら、国内の医療機器市場は輸入超過で推移しており、更に、医療機器は製品化までに時間と費用がかかるうえ、販売承認を得る条件も厳しい為に、日本が誇る物づくり力が活かしきれていない状況です。
 このような中、経産省、厚労省、文科省などの医療機器に係わる主要府省は連携し、日本の物づくり力を活かした医療機器の創出を強力に推進して「医工連携」を広げる考えであります。
そうした中で、当研究所が3月に紹介済みのタカトリ(6338)が、癌や肝硬変による難治性胸水・腹水を穿刺抜水、濾過濃縮し、点滴する腹水濾過濃縮再静注法(CART)用の装置「胸腹水濾過濃縮装置 T-CART」(平成25年度「医工連携事業化推進事業」経済産業省、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 採択事業)について、平成28年8月22日付で厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
現在、癌患者数は増加傾向にあり、推定患者数は152 万人、約80%の癌患者が抗癌剤治療(化学療法)を受けており、抗癌剤の進歩によって手術不可能な進行癌患者の生存期間が延長し、自宅で生活しながら外来で化学療法を受ける割合が入院を上回り、月に13 万件もの外来化学療法が行われています。癌の約7割を占める消化器癌、卵巣癌、肺癌は進行すると癌性胸腹膜炎を併発して胸腹水が貯まり、また、肝癌の母地となる肝硬変によっても胸腹水が貯留する。これらの胸腹水は、減塩や利尿剤が無効な難治性胸腹水であり、患者に大きな苦痛を与えるだけでなく、治療の妨げとなるため、穿刺排液や入院を余儀なくされることも多く、「難治性胸腹水の治療」は癌等の診療を行う上で重要な課題となっているおり、現在の「CART 」は入院が必要なため、外来でも施術可能な「T−CART 」が求められております。
 「CART」は、癌や肝硬変による胸腹水を穿刺抜水、濾過濃縮し点滴する、1981年に保険適用となった有効な治療法でありますが、現在は、濾過濃縮処理の手技が煩雑で、経験を要し、臨床工学技士が行わなければならないことと、治療時間が長く、入院が必要であることから、年間約2.5万回(潜在需要の10%程度)しか実施されておりません。癌患者の8割が抗癌剤治療を受け、その半数以上が外来で行われており、「T−CART」による外来での胸腹水治療が望まれていたことから、今回の製造・販売の認可によって、がん患者にとって朗報となることでしょう。
2016/08/30 8:00