アステラス製薬(4503)【網膜再生、ES細胞駆使、加齢黄斑変性向け臨床試験、管理容易な製剤開発へ!

アステラス製薬  [4503] 東証1部 時価:1646,5円

アステラス製薬(4503)はがん分野の主力薬が売れ、業績が好調であり、その勢いに乗って、2017年から臨床試験を増やしていくのが眼科の再生医療です。ターゲットは、世界に患者が1億人いるとされるドライ型加齢黄斑変性で、失明のおそれがあるが現在は治療法はなく、市場は大きい。
 同社の17年3月期連結の純利益は前期比2・2%増の1980億円で、3年連続のプラスを見込む。主力の前立腺がん治療剤「イクスタンジ」などの販売が海外で伸びており、がん分野では開発パイプラインも充実している。泌尿器分野なども現在のテーマである。
 新たに着目している分野が眼科と筋疾患。眼科では今年以降に、細胞を生みだす幹細胞をつかって組織や臓器を形作る再生医療の技術を応用し、次々と臨床試験(治験)をはじめる。その中核になるのは、16年に3億8400万ドルで買収したオカタ・セラピューティクスです。
 現在はアームと社名を変えてマサチューセッツ州に本社を構えています。志鷹義嗣社長は、米国で今年前半のスタートを計画している治験について「胚性幹細胞(ES細胞)から網膜細胞をつくり、患者に移植する」と説明する。対象とする具体的な疾患は、視力の低下や失明を引き起こす加齢黄斑変性で、使える期限の長い製剤の開発を狙っている。
網膜の再生を巡っては、日本でiPS細胞の研究が進んでいる。ヘリオス(4593)と大日本住友製薬(4506)が協力するほか、富士フイルム(4901)も治験を計画している。だが、同社はES細胞を使う。欧米で臨床研究が進み、実用化が近いためであります。
 オカタからアームの科学責任者に就いたロバート・ランザ氏は、ES細胞研究の第一人者として世界的に知られており、iPS細胞に比べ、増殖などのノウハウをもっています。
 網膜を再生するためには、患者の目に、幹細胞から作った網膜細胞を注射する。このとき、凍結してある製剤を溶解液でとかす必要がある。旧オカタがこれまで開発してきた製剤は、溶かしてから投与するまでのタイムリミットが4時間しかなかった。新しい製剤では使用期限のリミットを数日にのばすことが出来ます。これにより、製剤拠点で出荷時に溶かしてから医療機関に運べる。
同社はこの治験を皮切りに、眼科疾患の研究を進める。遺伝が原因の網膜色素変性症、眼圧が高まって生じる緑内障、感染や物理的傷害による角膜疾患などが対象となる。
 畑中好彦社長はオカタ買収に踏み切った際、「多能性細胞を分化させる技術を持っている企業だ。さまざまな分野で再生医療を進めるうえで、大きな武器になる」と語った。オカタは眼科に強かったが、ほかにも応用できる。同社が再生医療に取り組むために取る手段は、買収したオカタの技術を生かすことだけではない。京都大学と腎前駆細胞の作製に成功するなど、オカタが作製してきた細胞株以外の研究も進めている。
 再生医療を重点領域と位置付けるからには、数千億円の売上高が見込める事業でなければならない。志鷹氏は「当然、その程度の事業に育てるつもりでやっている」と話す。現在はまだ大きな売り上げは出てない。眼科での製品化の成否はアステラスの行方を左右すると見込まれ、17年は重要な一歩となるでしょう。
2017/01/10 8:00