車載用リチウムイオン2次電池(LiB)材料 装置各社に商機のチャンス到来!

電気自動車(EV)の世界的な普及を前に、日系の機械装置メーカーにビジネスチャンスが広がってきました。搭載される大型リチウムイオン2次電池(LiB)の材料増産で、今年から来年に掛けて大規模投資が本格化する可能性が高い。機械装置各メーカーは、独自の差別化技術を武器に、世界のLiB市場を積極果敢に攻めてほしい。
 車載用LiB市場は、CO2削減など地球環境保全を目的とした各国の燃費規制を背景に急拡大すると予測されています。セパレーターでは住友化学(4005)、旭化成(3407)、東レ(3402)など大手メーカーが積極的な展開を見せている。
 セパレーターの需要量は、パソコン、携帯電話などの情報端末用と車載用が、ほぼ同規模で推移していた。今後、情報端末用は横ばいで推移する見通しだが、車載用は20年に15年比4―5倍増加すると予測されている。
 セパレーターのフィルム押出装置を提供できるのは世界で数社に限られており、日系機械装置メーカーの受注機会が増える。また電池材料の高容量化、高出力化に加え、信頼性・安全性に対する顧客ニーズが高まることは間違いない。
 東芝機械(6104)はセパレーターのフィルム製造ラインを上流から下流までフルターンキーで対応。原料の供給装置から2軸混練押出機、Tダイ、縦・横延伸機、溶剤回収装置、スリッター、巻き取り機まで一貫ラインで提供できる。受注が毎年倍増ペースで伸長しており、20年に16年比5倍を狙う。セパレーター製造装置は1ライン10億円以上と大規模になるため、遅くとも17―18年に受注を目指す。
 日本製鋼所(5631)は今期、広島製作所で第3組立工場を完成させ、フィルム装置の生産能力を2倍に拡大した。セパレーター製造装置は2軸押出機、キャスティングロール、延伸機、巻き取り機まで含め、最適な設備提案を顧客に行う。
 セパレーターに限らず、車載用LiB市場が急拡大すると正極材や負極材の需要も増える。工業炉メーカーのタナベは、大型LiB材料向け連続式ロータリーキルンを開発し、電池メーカーとテスト中だ。LiB用材料は現在、バッチ式で焼成・製造されている。ただ携帯電話用と異なり、EV用は大容量化が欠かせない。このため早期に連続式にシフトし、大量生産できる体制を実現していく。
 EV開発では中国BYD(電気バス)や日本の三菱自動車(7211)、日産自動車(7201)が先行しているが、トヨタ自動車(7203)も本腰を入れ始めている。日系装置メーカー各社は、この機を確実にとらえ、世界の車載用LiB市場でプレゼンスを高めてほしい。
2017/01/20 8:15