自転車保険、損保が顧客争奪、 加入義務化の動きで需要、共済も取り扱い

損害保険各社が自転車利用者による損害を補償する「自転車保険」の販路拡大や商品拡充に乗り出している。保険加入を義務付ける条例を施行する自治体が相次ぎ、需要拡大が見込めるためだ。自動車保険の特約として自転車保険を付けるサービスも登場するなど、顧客獲得競争が熱を帯びてきた。
SOMPOホールディングス(8630)の損害保険ジャパン日本興亜は4月から全国生協連と提携して、自転車事故を対象にした個人賠償責任保険の提供を始めたことが20日、分かった。生協連が展開する都道府県の共済の加入者が対象で、担当者によると「共済が民間損保会社の商品を扱うのは極めて異例」という。
 高額な保険金が必要な場合に備えたためで、最大で年1680円の保険料を支払えば、1億円を上限に保険金が支払われる。同社は、3月に全日本交通安全協会と連携した自転車保険の販売も始めており、自転車保険の商品拡充を図っている。現在、加入者は40万件で2年で15万件伸びるなど急拡大している。
 東京海上ホールディングス(8766)の東京海上日動火災保険は4月から自動車保険の特約という形で、契約者とその家族を対象にした自転車保険の販売を始めた。契約率の高い自動車保険に併せてアピールする。このほか、MS&ADインシュランスグループホールディングス(8725)の三井住友海上火災保険は、セブン-イレブン・ジャパンの店舗内のマルチコピー機で加入できる自転車保険の補償限度額を昨年4月に1億円から3億円に引き上げた。
 自転車保険は、60代の女性と衝突した男子小学生とその母親に約9500万円の支払いを命じた2013年7月の神戸地裁判決を契機に注目された。15年10月に兵庫県が自転車利用者への保険加入を義務付ける条例を施行し、大阪府、滋賀県も追随。保険加入を努力義務とする条例も東京都や埼玉県、愛媛県などで施行されている。
 交通事故全体に占める自転車事故の割合は2割前後で推移しており、自転車保険の加入が義務化されれば大きな需要が見込める。