日本製紙(3863)【セルロースナノファイバー(CNF)を20年までに黒字化!】

日本製紙  [3863] 東証1部 時価:2122円

日本は食料をはじめ多くの資源を輸入に頼る。輸入資源を加工して付加価値を高めるモノづくりが“お家芸”だ。だが新興国の台頭により、そのビジネスモデルに陰りも出ている。
これに対し、京都大学教授の矢野浩之さんは「日本は資源輸出国になり得る」と言い切る。海外で評価が高まる果実や鮮魚など生鮮食品ではなく、矢野さんらが産学官共同で取り組むセルロースナノファイバー(CNF)の話だ。今や航空機の素材に使われるまでに成長した炭素繊維に続く、新素材である。原料は木材パルプ。それをナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで細かく解きほぐし、樹脂と混ぜ合わせる。鉄鋼の5倍以上の引っ張り強度を持ちながら、5分の1の軽さを備え、自動車などを軽量化する素材と期待される。低コストな製造法「京都プロセス」を開発し、昨春に京都府宇治市の京大キャンパスにテストプラントを完成した。年産能力は1トンと小規模ながら、パルプからCNF強化樹脂を一貫製造できる。
日本製紙(3863)は事業化を進めているセルロースナノファイバー(CNF)について、2020年までに年間売上高を数十億円に拡大し、黒字化する見通しを明らかにしました。
既に実用化された商品では、日本製紙クレシアが販売している大人向けおむつ「肌ケア アクティ」があります。CNFには、銀などの金属イオンを高密度に付着させることを容易とする特徴がある。おむつの繊維にCNFを含むことで、抗菌・消臭効果のある金属イオンを大量に保有したシートの実用化に成功しています。他に、新たにペット関連などにCNFを用いた消臭シートを提案。添加すると塗膜強度が高まる点を売りに、水性塗料では年内の実用化にめどをつける。
同社は昨年、石巻工場(宮城県石巻市)にセルロースナノファイバー(CNF)を大量生産する設備を建設すると発表した。投資額は16億円。炭素繊維の次の有力素材といわれるCNFのサンプル提供を進めてきたが、2017年は東西でCNFの量産設備が立ち上がり、6月には、年産能力十数トンの実証生産設備を稼働する運びだ。
更に、三菱鉛筆(7976)が販売している世界初CNF配合のゲルインクボールペン「ユニボールシグノUMN−307」は昨年10月末時点で世界累計2000万本以上売り上げています。
同社は、通常のCNFに樹脂を添加することで、より軽量、高強度で熱による寸法変化を抑えることが可能になるとして、今後は自動車メーカーと部材で連携を図っていくとしており、「裏山の木から自動車が作れる時代」の達成も夢物語ではなくなってきそうですね!
2017/05/12 7:45