塩野義製薬(4507)【「がんワクチン」に使う原薬の量産技術を開発!】


塩野義製薬  [4507] 東証1部 時価:5925円

塩野義製薬(4507)は、国内製薬大手で、感染症や疼痛・神経、代謝疾患、がんペプチドワクチンなどを手掛けでおり、HIV(エイズ)薬のロイヤリティー収入が伸びていることから業績好調であります。
更に同社は、従来のがん治療薬より効果が高いとされる「がんワクチン」に使う原薬の量産技術を開発しました。がんワクチンにはたんぱく質の断片である「ペプチド」が必要だが、化学合成が難しく安定供給に課題があった。塩野義はペプチドの分子構造を変え、量産しやすいようにした。今後、海外で臨床試験をする新薬向けに、開発した技術を活用する。
 がんワクチンは、がん細胞の表面に発生するペプチドを人工的に合成して患者に投与し、患者の体内にある免疫細胞が人工ペプチドをつかまえ、同様のペプチドを持つがん細胞を見つけて攻撃する仕組みでありますが、ただ、新薬の候補物質となるペプチドは水に溶けにくく、合成や精製が難しかった。塩野義はペプチドの分子をいったん溶けやすい構造に変え、量産した後で元のペプチドに作りかえる。合成量を増やし、ペプチドに混ざる不純物も従来の5分の1以下に減らせるようにしました。
近年、次世代創薬技術として「中分子創薬」が注目を集めており、世界各国で特殊ペプチド医薬品を巡る主導権争いが始まっています。その中、特殊ペプチド原薬の安定的な供給体制確立のニーズが高まっていますが、現時点では高精度で安定し大量に特殊ペプチド原薬を供給できる製造受託メーカーは世界的にも存在しません。又、これまで使われてきたペプチド合成法の生産性は極めて低く、その改善が求められていました。
塩野義製薬はペプチドリーム(4587)の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)に関して非独占的にライセンス許諾を受けており、更に塩野義製薬、ペプチドリーム、積水化学工業(4204)の3社は6月1日に特殊ペプチド原薬の研究開発、製造および販売を行う新会社設立に向けて検討を開始しました。
こうしたなか、3社を中心にオールジャパン体制(大塚HD(4578)傘下の大塚化学、島津製作所(7701)、長瀬産業(8012)、中村超硬(6166)、日産化学(4021)の構築と最先端技術の集約による高品質特殊ペプチド原薬の低コストかつ安定供給体制の確立についての検討も行っており、具体的な内容については8月上旬に発表を行う予定であります。 
2017/06/14 8:15