東レ(3402)【燃料電池車の水素タンク素材、18年初から海外生産!】



東レ  [3402] 東証1部 時価:1078,5円

東レ(3402)は韓国と米国で、燃料電池車(FCV)に搭載する高圧水素タンク用の高強度炭素繊維を生産する。韓国では既存ラインの設備を改修し、2018年初頭に稼働する。米国では早ければ18年中にも設備投資に着手する。一連の投資額は約10億円。全体の年産能力は18年初に現在比約2倍、米国の増強後は同約4倍の5500トン規模になる見通し。強みの高強度炭素繊維を伸ばし、需要拡大に対応しつつ苦戦する一般産業向けを補う。
同社は現在、高圧水素タンク専用の高強度炭素繊維「T720S」を愛媛工場で生産し、トヨタ自動車のFCV「MIRAI(ミライ)」などに供給する。生産能力は年1500トン規模とみられ、工場の操業度は高い。まず韓国工場に2系列ある産業用炭素繊維「T700S」の生産ラインのうち1系列で、原料繊維の巻き取り設備などを改修し、T720Sを製造する。生産能力は年間2000トン規模で、中国を含む東アジアの供給拠点とする。近く設備改修に着手する。圧力容器などに加工する既存のT700Sは、アジアを中心とする新興メーカーの多くが同等品を開発し、販売攻勢をかけているが、東レは得意の付加価値品に生産を振り替え、利益を確保する狙いもある。
米国工場でも既存ラインの一部を改修し、T720Sの生産ラインを整備する。生産能力は同2000トン規模。高圧水素タンクの需要動向をみながら投資時期を判断するが、FCVの普及が本格化する20年以降をにらみ、18年中にも投資に踏み切る可能性がある。
経済産業省も水素を燃料にして走る燃料電池車の普及に向け、水素ステーションを設置・運営する際の規制を緩和する。次世代自動車を巡っては世界的にEVが台頭しつつある。英国とフランスは40年までにガソリン車などの販売を禁止する方針を7月に表明。中国も追随を検討している。ただ、航続距離が比較的短いなどの課題を抱えており、政府は本格的な普及に向けて2018年度までに監督者や設備の要件など約20項目を見直して、購入時に補助金を支給するなどFCVには長期的な成長をにらんで環境整備を進めて支援を強化するとしている。
FCVについてはトヨタが世界で20年以降に現在比10倍の年産3万台を計画するなど自動車メーカーが高い販売目標を掲げている。世界的に自動車の環境規制も高まっており、FCVの販売が増える余地は大きい。こうした動向をにらみ、東レは早期の供給体制拡充が必要と判断した。
2017/09/22 7:10