東海カーボン(5301)【黒鉛電極メーカーSGL GE社から米国事業取得で業績基盤拡大へ!】



東海カーボン  [5301] 東証1部 時価:1102円

東海カーボン(5301)は炭素業界のパイオニアで、タイヤ業界向けの「カーボンブラック」や、電炉業界向け「黒鉛電極」や、半導体・太陽電池向け「ファインカーボン」や、「摩擦材」そして「工業炉及び関連製品」の五つのコア事業を展開しています。同社の株価が約9年ぶりの高値圏にあるが、この原因は「買収」「市況改善」「構造改革」の3要素に起因している。
 電気で鉄スクラップを溶かす時、黒鉛電極を使う。鉄鋼の製造工程には不可欠で、この黒鉛電極を手がける独SGLから米国子会社を買収し、市場では収益拡大の期待が高まっている。
 米国は世界最大の電炉鋼市場といわれている。東海カーボンはSGLの米国子会社が持つ2つの生産拠点で市場開拓の足がかりを築くほか、アジア・欧州・北米の「3極体制」を築くことで、グローバルプレーヤーとしての事業基盤の構築を目指すとしています。大和証券の森貴宏アナリストは「買収で黒鉛電極の生産量は世界でもトップ3のクラスになる。日本、ドイツに続いて米国でも生産できる地域バランスも評価できる」と指摘する。
 業績はV字回復の見通しだ。17年12月期の連結最終損益は91億円の黒字となる見込みで、79億円の赤字だった前期から急回復する。黒鉛電極やタイヤなどの原料のカーボンブラックの市況改善と、前期までに実施した構造改革が寄与する。
 黒鉛電極は電気自動車(EV)に使うリチウムイオン電池の原料にもなっており、需要が急増している。カーボンブラックも競合する中国勢の輸出も環境規制に対応するために減少。こうした状況で東海カーボンは両製品の値上げを表明した。17年12月期にも採算改善効果が表れる見込みだ。
 構造改革では全社で約100人の人員を減らした。さらに、カーボンブラックで過剰だった国内外の生産拠点の能力削減にも取り組んだ。ゴルフ練習場など非中核事業も売却するなど、経営のスリム化の効果が業績のV字回復には織り込まれている。
 ただ、市況の改善はずっと続くとは限らない。買収効果と市況改善、構造改革がうまくかみ合って業績が回復し、市場の評価を得た今こそ、次の一手が問われており、押し目を注目したい。
2017年10月30日 8:10